手はもぞもぞとしばらく動き、ドアの向こうに引っ込んでいった。
凍り付いたまま動けない。
向こう側から物音もしない。
ゆっくりとドアに近付く。
物音をいっさいたてずに。
ドアまで10分位かかったように感じる。
実際は2分くらいだったかも知れない。
ドアの前に立ち、耳を澄ますが物音はしない。
しかし、立ち去った音も聞いていない。
玄関の横に置いてあったハスキーを手に取った。
ハスキーとはカメラ用の三脚だ。かなり頑丈な造りになっているので、武器にはもってこいだ。
ハスキーを構えて、ドアを勢いよく開けた。
誰もいない。
気のせいか。いや、手は確かに見た。
暗がりの中見たわけではない、電気がついた状態。それまでMacで作業をしていたので目も冴えていた。
気がつくとAM8:00。
TSUTAYAに返却するリミットまで2時間しかない。
Macに向き直り作業再開。
結局osxとos9を併用するという方法で解決した。9:30。TSUTAYAへ急ぐ。
部屋に戻ってきて、鍵を開けながらぶっ壊れたポストに目をやる。
「昨日の手は何だったのか?」と思いながら、なんとなく手の入ってきていた隙間に手を突っ込んでみる。
が、入らない。
人さし指の付け根付近までしか入らない隙間だ。
私の手はそんなに大きいほうではない。入らない。いろいろと角度を変えてみる。入らない。
昨日見た手は手の甲までが見えていた。手首あたりまで入らないことには、手の甲は見えないはずだ。手首までなんか絶対入らない。
異常に手の小さい奴だったのか?
子ども?
女性?
女性というのが一番しっくりくる。確かに女性っぽい小さな手だった、ような気がしてきた。
深夜4時近くに私の部屋にきてドアポストに手を突っ込んで立ち去る女性。
想像して、また凍りついた。
2009年10月31日土曜日
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